開催終了 2017年11月18日(土) 13:00開演(12:00開場) 十四世喜多六平太記念能楽堂
五蘊会 秋曲二題
「清経」「猩々乱」友枝雄人
来たる11月18日(土)、五蘊会にて秋曲二題をテーマに「清経」「猩々乱」の二曲の演能に挑戦させていただきます。社中の会として発足した五蘊会も昨年20周年を迎える事ができました。節目には私も並行して自分の日頃の成果を問うべく、15周年に「望月」、20周年に「安宅」を舞わさせていただきました。21年目に入る本年より年に一度と定め、社中の発表会と共に私自身も自分の演能の場として催させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
「清経」は、平家物語を題材にした名曲、人気曲です。
愛する妻を都に残し、絶望の末に西海に身を沈めざるを得なかった清経の心理描写は、世阿弥作の中でも特に強く現代に通ずるドラマ性を有しております。平家の公達としての品位と死に至る悲壮感の両面がもとめられ、それだけに謡、型ともしっかりとした準備の元、舞台を勤めなければならないと思っております。
もう一番は、「猩々乱」です。
秋風そよぐ中、瀋陽の江の波に戯れ菊に誘われ酒を楽しむ優雅な演目です。「猩々」という曲は小品としての楽しさのある曲ですが、乱という文字が入る事により舞の型が特殊になります。特に喜多流では酔態と共に波に戯れる足使いに特殊な習いがあり、体力的、技術的なものが強く要求され、またそれ自体が喜多流の型の根本であると常々思っております。
20代の初演以来、30代、40代と五度程勤めさせていただきました。本年50代になる身として、改めて自分の技術に対して問い直す機会とさせていただきたいと思っております。
是非、能楽堂へお運びくださいませ。
友枝 雄人