第42回喜多流青年能

「敦盛」友枝雄太郎　

この度、第42回青年能におきまして、敦盛のシテを勤めさせていただくことになりました。中学生のころ、学校の授業で敦盛の最期を扱いました。光陰矢の如しと言いますが、敦盛の方がまだまだ自分より年上だなと思っていたのが、今年でとうとう21歳となり、いつのまにか敦盛の年齢を超えてしまいました。上の世代の方々が青年能を卒業していき、今年から私も青年能の同人です。今、喜多流で同世代として扱われている仲間が数人います。その中では私が一番学年が低いこともありますが、遅れての青年能への参加です。しかし、周囲から見ればそのようなことは取るに足らないことで言い訳になりません。中高時代ずっと体育会であったこともあり、同世代に負けないような舞台を作りたいというライバル意識が少なからずあります。テレビを見ていてもスポーツ界や将棋界などで自分より年下の方が活躍することも、もう少なくありません。私は子方を卒業してから今回が公の場での初めてのシテとなります。同世代や自分より下の世代に負けないよう、学生の強みである8月、9月の夏休みを最大限に利用して稽古に励みますので、足を運んでいただけましたら幸いです。

友枝雄太郎