開催終了 2018年5月26日(土) 12:00開演(11:15開場) 十四世喜多六平太記念能楽堂
第43回喜多流青年能
友枝雄太郎「六浦」
今年の青年能では六浦を勤めさせていただくことになりました。
お能は、現代の演劇やミュージカルとは違い、表現や演出をあえて最低限に抑えることで観ている方々に想像していただく、余白の芸術としばしば言われます。特にこの六浦という曲は、型も多くはなく、その色が濃いように個人的には思います。
私は今年で大学4年生、来年からは一般的には就職して社会人になる年齢です。来年からは学生ではなく、職業「能楽師」として生きていかなくてはなりません。就活をしている友人たちには、将来が決まってていいなと言われることもありますが、企業に勤めるのとは違い、毎日決まった仕事が必ずしもあるというわけではなく、公演にも呼ばれるのか、舞台に立てるのか全くわからず、やりがいもある一方、正直不安もあります。
そんな時期に今回お能の特徴が色濃く残る六浦という曲を勤めることになったのは、来年から私がこの道で生きていけるのか試されているような気がします。
まだまだ考えも甘く、至らない点も多いですが、この舞台を通して学生から能楽師になれるよう精一杯勤めさせていただきます。
偉そうなことを長々と書きましたが、能楽堂の方まで足を運んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
友枝雄太郎