2019年3月10日

觀ノ会 冊子「觀−II」 

花筐(はながたみ)の公演に向け、能面師の中村光江氏より当日使用する面を拝借すること、先日皆様にお伝えさせて頂きました。
この度、あらためて「おもて」が、我々能楽師にとってどのような存在なのか、考察する機会となりました。
普段から能面に対して、しっかり対峙しているつもりですが、やはり姿勢を正して向き合うことを怠っていたようにも思いました。その思いを冊子「觀」の編集に携わっている宮川氏と話したところ、当日配布の「觀−II」に寄稿したらいかがか、というご提案があり、今までの舞台の経験から面に対して感じていることを、つらつらと書かせて頂きました。
書き進めながら、日常の稽古の中で無意識に落とし込んでしまった意識や感覚を言語化することで、今更ながら能楽の奥深さと、長く伝えられてきた底力を再認識することができました。
「初心忘るるべからず」という言葉は、時分の初心に立ち返る努力なのだと、痛感しております。
当日ご覧いただく冊子には、今回も舞台美術に深く携わって頂きました桐谷美香氏、当日使用の竹花籠に的確なアドバイスを頂いた、竹工芸収集家の斎藤正光氏、おワキをお勤め頂く大日方寛師と、第ニ回目の公演に向けて様々な角度からの思いやお考えをお寄せ頂いております。
是非、ご期待くださいませ。

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友枝雄人