2019年6月1日

五蘊会「小袖曽我」を舞うにあたって

先日の青年能には多くの方にお越しいただき大変ありがとうございました。
この度の五蘊会では「小袖曽我」を勤めます。青年能で勤めてさせていただいた「二人静」に続きまして、また合舞のある曲です。
以前「二人静」の際に、合舞は2人が自分の型の悪い癖を削ぎ落として基本的な型を身につけるのに良いという話をいたしました。「小袖曽我」は合舞だけではなく、舞台や橋掛りでの行き来やじっとしている時間も多くなっています。橋掛りから舞台に出て行くさりげない動作や向きを変える動作、何もない時の構えなど簡単なようで実は身体の正しい使い方が必要です。本番に向けてそういったことを根本的な所作を意識した稽古を行なっています。「小袖曽我」は話の流れも比較的わかりやすく、合舞も目で見て楽しめると思いますが、そういった細かい所作も気にして見ていただけるとより楽しめるかもしれません。
喜多流の若手能楽師は青年能で年に一度シテを勤める機会をいただいておりますが、それだけではなく、このようにチャンスをもらえるのは恵まれた環境であると思います。本番までできるかぎりのことをして、この経験が最大限自分の今後に繋がるような舞台にしたいと考えております。まだまだ拙い部分もあるとは思いますが、精一杯勤めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

友枝 雄太郎