お能の質問箱

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能面パパ さん (大阪市 70代)

11月3日の「友枝会」を初めて拝見しました。
月並みな表現ですが、どの演目もとても素晴らしかったです。
観に行けて良かったなあと心から感じ入りました。

そのうちのひとつ「殺生石」について質問です。

私の知っている「殺生石」とは少し違うなあと思いながら観ていました。
特に後シテの面が『小飛出』と思っていたのが、白い女の面だったのは意外でした。

一生懸命、双眼鏡で目を凝らして見ましたが、何の面だったかは分かりませんでした。

妖しさはこっちの方が勝っているなあと思いましたが、あの面は何という名の面でしょうか?

昨日は友枝会にご来場いただき誠にありがとうございます。

昨日の「殺生石」は女体という小書(特別演出)になっていました。この演出は本来喜多流にあった演出ではなく十五世お家元喜多実先生がその座に就任された際に金剛流のお家元からお祝いでお贈りいただいた演出です。昭和、平成、令和を経て諸先輩方がこの演出に喜多流らしさを加えて現在に至っております。したがって面、装束も色々と工夫されています。緋の長袴も本来は喜多流にない装束ですがこの女体の演出に頻繁に使われております。ご質問の面は友枝昭世がこの曲専用に面打師に頼んで制作していただいた面です。ですので名前は有りませんが「玉藻」と呼んでいます。

細部にわたりご覧いただき感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

友枝雄人

2024年11月4日更新