武相荘 お能への誘いの会「清経」報告記
先日、10月14日の夕刻に白洲正子氏旧邸の武相荘にて「お能への誘いの会」が催されました。
今回は、来月11月18日(土)の五蘊会の演目の解説を青柳恵介氏に、またそれに使用させていただく面にスポットを置き、能楽師にとっての能面の存在、またその見方などを、私と後輩の佐藤寛泰君と共に、お話しさせていただきました。
この日は五蘊会当日の清経に使用予定の佐藤寛泰君所蔵の中将の面を中心に、同じく所蔵の三光尉や邯鄲男、万眉、また友枝家所蔵の小面や万眉、曲見などを会にお集まりの皆様に間近にご覧頂きました。普段は客席からしかその表情は見ることが出来ませんが、今回はすぐ目の前にてご覧いただき、角度によって能面の表情が変わることを実感していただきました。
武相荘の中の正子氏お気に入りの囲炉裏のあるお座敷にて、照明も昔ながらの仄暗さ、さながら陰翳礼讃、江戸時代からの面もさまざまなお顔を見せてくださいました。
二十歳の頃は、このお座敷にて白洲正子先生やそのほかたくさんの大先輩の方々とお酒を酌み交わした記憶があります。あまりに楽しく、適量を過ごすこともしばしばでしたが、その場所にてこの様なお話の会をさせて頂くとは、その当時は夢にも思っておりませんでした。ひとえに、正子氏長女ご夫妻、牧山圭男様と桂子様お二人のお力添えと感謝申し上げます。
勉強会の後は、楽しい会食。写真の通り、とても美味しい松花堂弁当をお供に、皆様と共に美酒に酔いしれ、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
今後もまたいろいろ企画させて頂きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
今回、武相荘のイベントにご参加いただけなかった方も是非11月18日「五蘊会」でこの面をご覧いただければと思います。
友枝雄人