吉野静を舞って
去る4月24日喜多流自主公演において「吉野静」を勤めさせていただきました。静御前がシテの曲ではあまり上演頻度が高い曲ではありませんが、静の舞姿が中心となった小品の演目です。前シテ
吉野の山奥で、義経一行とはぐれた静御前が佐藤忠信と偶然山中で出会い吉野の衆徒達が義経一行を追いかけようとするのを二人の策でくい止める。
後シテ(石田裕 撮影)
白拍子姿で舞を見せて時間を稼ぎ義経一行をなるべく遠くまで逃がす静御前は自分の身の行く末よりも判官義経の行く末を思うけなげさが舞姿と重なるところにこの曲の面白みがあるのではないでしょうか。
友枝 雄人