セルリアンタワー能楽堂十五周年記念特別公演を終えて
去る、5月6・7・8日とセルリアンタワー能楽堂にてプレ公演を含めて3日間の公演を行いました。十五周年記念ですので「翁」の演目を中心に東西の若手能楽師競演でというお話でした。それならばということで、立ち合いのお囃子の会もプレ公演という形で企画させていただきました。おかげ様で3日間とも満席となりました。お越し頂いたお客様にはこの場を借りて御礼申し上げます。中には3日間お越しいただいた方もあったようで嬉しい限りです。
私も翁付絵馬を女体という喜多流が大事にしている重い演出で勤めさせていただくことができました。
再演の「翁」でしたがやはり他の曲とは違う独特の緊張感と心構えが必要でした。
喜多流では通常の「絵馬」は後シテの天照大神は男性の神様ですが女体という小書が付くと女神になります。高砂と同じような雄々しい神舞を舞いますが、女性の神様なので足の運びや手のサシ、ヒラキに柔らかさが求められ難しいところでした。天冠の上に載せている日輪(頭上の置物)はこの曲のみに使うもので天照大神の象徴です。
岩戸から現れる天照大神。舞台に一筋の光が差すイメージですが、どこまで表現できたでしょうか?
翁から絵馬まで大夫として勤めさせていただく経験はなかなか得難いことです。セルリアンタワー能楽堂の皆様をはじめ、関係者各位に御礼申し上げます。
友枝 雄人