旧白洲邸武相荘にて
一調「玉ノ段」
能楽をこよなく愛した白洲正子氏の旧邸宅「武相荘」にて収録。
友枝雄人の謡と幸流 成田達志氏の小鼓による演奏お楽しみ下さい。
2020年10月22日掲載
出演
シテ方喜多流 友枝雄人
小鼓方幸流 成田達志
〈解説・字幕〉友枝雄太郎
「玉ノ段」は能「海人」の一場面です。
房前の大臣は自らの母の手がかりを求めて、志度浦を訪れます。そこで、一人の海人が物語を始めます。
昔、淡海公(藤原不比等)とある海人との間に子が生まれました。しかし、海人は賤しい身分です。淡海公は、龍に奪われた宝珠を取り戻すことができたらその子を嫡子とすることを海人と約束します。
海人は自らの子のために、海底の龍宮へと飛び入り、何とか宝珠を取り戻しますが、引き換えに命を落としてしまうのでした。
このように海人が語ると、実は自分こそ、この宝珠を取り戻した海人の幽霊であり、房前の母親であると明かして消えていきます。
「玉ノ段」では、この海人が宝珠を取り戻しに海底へと飛び込んでいく場面が描かれています。