旧白洲邸武相荘にて
独調「八島」
能楽をこよなく愛した白洲正子氏の旧邸宅「武相荘」にて収録。
シテ友枝雄太郎 成田達志氏の小鼓による独調。
2020年10月22日掲載
出演
シテ方喜多流 友枝雄太郎
友枝雄人
佐藤寛泰
小鼓方幸流 成田達志
〈解説・字幕〉友枝雄太郎
都からの旅僧は八島を訪れました。
一夜の宿を探していると、塩焼き小屋の主人である老いた漁夫と出会い、泊めてもらえることになります。
僧は八島はかつて源平合戦が繰り広げられた場所であったので、その物語をするよう漁夫に頼みます。すると錣引き(しころびき)と呼ばれる戦いの様子を実際に見たことがあるかのように語り始めます。
不思議に思って僧が漁夫の名を尋ねると、実は自分こそ義経の亡霊であると名乗り姿を消してしまうのでした。
僧が夜にまどろんでいると、義経の亡霊が現れます。八島の戦いで弓を落としたが、命を顧みず取り戻しにいった「弓流し」について語ると、修羅道での激しい戦いの様子を舞とともに再現していきます。
春の夜が明けると、風とともに義経の亡霊は消えていき、僧の夢は覚めていくのでした。