お能の質問箱

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冷泉 さん (東京都 10代後半 男性)

仕舞をする時に身につける紋付袴について、いくつか質問したいです。
まず、紋付の紋の部分は、着る方の家系の家紋の形で作られた紋付でないと、着る事は出来ないのでしょうか?
また、裏生地に絵が描かれてる物があったりなかったりとその辺は、自由なのでしょうか?
最後に、仕舞をする時の紋付の色は、黒でなくとも宜しいのでしょうか?

ご質問、ありがとうございます。

紋付袴は能舞台に立つ為には欠かせないアイテムですので、いろいろ疑問になる事もおありでしょう。

まず、お尋ねの家紋についてですが紋付というくらいですので、お家に伝わる家紋をお使いになるのが一番良いと思います。しかし、必ずその家の家紋でなければ舞台に立ってはいけない、という決まりもございません。例えば、亡くなられた方の形見分けなどでいただいた紋付を着用している事もあります。あまりこだわらなくても大丈夫でしょう。裏地に模様があるのは、紋付の上に着用する羽織の事だと思われます。仕舞を舞う時の紋付には模様は無いと思います。

最後に色についてですが、基本的には黒です。色紋付はかなり特別な場合とお考えになった方が良いかと思います。ただし、いまおてもとに色紋付がおありならば、折角ですのでお使いになられたら良いと思います。これからお仕立てになるのでしたら、黒紋付をお勧めします。ただし、真夏の紋付は、麻の生地を使用します。麻の場合は、黒以外の色を使う事が通常です。

いずれにせよ、紋付袴の姿で舞台に立つと、自ずと背筋が伸びると思います。ご自分で着付けが出来るようになられたら、楽しいかと思います。

 

友枝雄人

2018年6月9日更新