第48回喜多流青年能

友枝雄太郎「杜若」

この度、第48回青年能にて「杜若」を勤めさせていただきます。
今回の舞台で私は皆様に感じていただきたいことがあります。
それは「生の体験」ということです。
コロナウイルスの影響で自粛期間もあり、能楽堂も一時的に閉鎖されていました。世の中はテレワークや映像を通した企画が増え、なかなか「生の体験」をする機会が減ってしまいました。公演が減っている中で、ありがたいことに青年能はこの度開催される運びとなりました。ぜひ、青年能にて能独特の緊張や迫力を体感していただきたいと考えております。私も見ていただく方々に何か感じてもらえるような舞台を精一杯勤めさせていただきます。

自粛期間中を良い機会と考え、私は自分の舞台での改善点を治す努力をしていました。「杜若」という曲は動きのない時間も長くあります。運びや構え、姿勢の基本ができているか問われる曲です。たくさん課題はありますし、型や謡も多いですが、まず運びや構え、姿勢をきちんとする(当たり前のことかもしれませんが)ことを一つのテーマとしてこの杜若という曲と向き合おうと思っております。
お時間、ご都合の許す限り、ぜひ足を運んでいただけたら幸いです。

友枝雄太郎