2022年五蘊会 主催五蘊会 2022年3月5日(土)開催

開催終了 2022年3月5日(土) 13時開演(12時開場) 十四世喜多六平太記念能楽堂

2022年五蘊会 主催五蘊会

友枝雄人「白田村」
友枝雄太郎「殺生石」

2020年6月から延期をした2021年1月24日の「五蘊会」はコロナウイルスの感染拡大の状況で2022年3月5日へと再延期させていただきました。その間の2021年9月4日には五蘊会二十五周年大会大会を開催させていただくことができ「石橋」・「巴」を勤めさせていただきました。

白田村の演能に際して事前にご覧いただける動画を昨年UPしております。2022年3月までの期限付公開でございますのでお時間の許す際に是非ご覧ください。
「能の骨格 白田村」 https://tomoeda-kai.com/movie/3684/

私が今回勤めさせていただく「白田村」は、田村という曲に特別な演出を加えた曲となっております。テキスト、いわゆる台本である謡本は田村と全く同じです。能の演目には、小書(こがき)と称して、番組の演目の下に小さく別の表記をする事があります。これは、通常の演じ方と少し異なり特別な演出に変わる事を表しております。小書が存在しない曲もあり、その演目によっていろいろなパターンがありますが、小書のある曲は、それが付くと主題が深く掘り下げられる演出となり、囃子方、地謡等にも通常と変わる演じ方が加わり、技術的にも高度になる事がほとんどです。今回の白田村は、この小書に対して題名の上に「白」という文字が入る事で、小書よりもさらに重く扱っております。何も染まらない「白」という文字により、坂上田村麻呂の武勲からその存在の神格化が強調されます。
実は当流には他にもう一つだけ、是界という曲に「白」が加わり白是界と変わる演出があります。この「白」という文字も神格に近い意味を持っておりますが、是界は大陸から日本の仏法を妨げにくる天狗の主領のお話です。悪の権化にもこの文字を当てる事、善悪一如、善も悪も表裏一体という日本の古来の意識からくる演出なのではないでしょうか。
この「白」という文字の本質を意識して、本番をむかえる所存です。
また、息子の雄太郎には殺生石に挑戦させます。人の世に悪をもたらした妖しい狐の精が退治された後も殺生石となり人の命を奪う存在となる、そういう演目ですが、その中に「あまりの悪念は却って善心となる」という言葉が出てきます。前述の通り、ここにも善悪表裏一体の感性が埋め込まれております。まだ未熟なシテでありここまでの意識など到底まだ無理とは思いますが、将来に向けしっかり精進する機会となる事を願っております。
是非、ご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。

友枝 雄人

2022年五蘊会 主催五蘊会

能「白田村」  友枝雄人 
狂言「鎧腹巻」 野村万蔵
能「殺生石」  友枝雄太郎

於 十四世喜多六平太記念能楽堂

2022年3月5日(土)
13時開演(12時開場)

S席10,000円
A席9,000円
B席7,000円
C席6,000円
2階自由席4,000円
2階自由席(学生)2,000円

当公演のチケット販売は終了いたしました。