2017年8月29日

五蘊会(ごうんかい)秋曲二題

11月18日(土)喜多能楽堂に於いて「五蘊会 秋曲二題」の公演を行わせていただきます。
演目は「清経」「猩々乱」。
8月も終わりに近づき、暦の上では季節は秋に変わろうとしています。
実際はまだ残暑も厳しく、まだまだ夏のままですが、季節感は少し先取りして楽しむ面もあります。
五蘊会・秋曲二題の「猩々乱」について少し触れて、秋を感じて頂ければと思います。

写真:辻井清一郎

この曲は、瀋陽の江のほとりの海中に棲む猩々という人間の形に似た生物が秋風吹き芦の葉がそよぐ中、酒を飲み舞戯れるという舞踏的な要素の強い演目です。
乱(みだれ)という演出になりますと、能楽独特の摺足から全く離れた乱れ足(みだれあし)という足づかいに変わります。
シテの出る場面では通常通りの摺足ですが、中之舞という舞の中で突然雰囲気が変わり、足づかいが変化します。この変わりばながひとつの見どころで、また演じる側にも技術が求められる所でもあります。
この場面から、乱れ足という運歩を使うようになりますが、シテは瀋陽の江の波にも戯れるごとく、青海波という日本古来の波を表している図柄を足で描きながら、舞進みます。祖父の友枝喜久夫から生前にこの乱れ足について、いろいろ話しを聞かせてもらいましたが、それについては次回にさせていただきます。

友枝雄人