2019年2月18日

3月31日(日)觀ノ会第二回公演「花筐」

 

 

 

 

 

 

 

 

寒さも和らいで、春の足音も聞こえてくる時季となりました。
来月末の觀ノ会第二回の公演も、近づいて参りました。当日は桜満開の頃かと思います。
公演演目の花筐は、その桜の季節から紅葉の秋へと時が流れる曲目です。別離の春から再会の秋への展開は、シテの照日ノ前の北から南への旅の時間と心理の変化を暗示する演出だと思っております。

この度、この花筐のシテとツレに使用させて頂く面を、能面師の中村光江氏より拝借させて頂ける事となりました。
先日京都の氏の工房にお邪魔させて頂き、数多くある面の中から自分が使いたいと思う面を自由に選択させていただくという、なんとも贅沢な経験をさせていただきました。この場で、あらためて感謝の思いをお伝えしたいと思います。
シテとツレの主従関係や、シテの性格や品位など、いろいろな条件を考えあわせ、また自分自身の好みも加味して、沢山の面の中から二面を選ぶ時間は、能楽師の自分にも全く初めてのことでした。
迷い悩みながらも使用する面に徐々に近づいて行く過程は、面についてもう一度深く考える良い機会となりました。
能を舞う者、特にシテ方にとって面は全てと言っても過言ではありません。能のシテを勤める者は誰しもが面には常に畏敬の念を持って対峙しております。その面を自らが選択するという行為がどのようなことなのか、その問いかけこそが能を舞うという事自体なのかもしれません。
シテに「若い女」、ツレに「小面」という面を使わさせていただきます。この面から何が伝えられるか、是非ご高覧下さいませ。

友枝雄人