NEW! 令和7年7月20日(日) 午後2時開演(午後1時会場) 十四世喜多六平太記念能楽堂
第12回洩花之能
第十二回洩花之能
第12回洩花之能は世阿弥の傑作「山姥」をシテ・友枝真也、また狂言「箕被」を山本東次郎師、そして友枝昭世師の仕舞「杜若」をご覧いただきます。
能「山姥」は山姥といわれる山に住む鬼女が山廻りするという言い伝えを主題にした曲です。世阿弥の作品ですが元々は山姥といわれる「曲舞」の一つを能という形式に昇華したものと言われています。
「曲舞」とは世阿弥の著作にもしばしば出てくる言葉ですが、南北朝時代から室町時代に流行った芸能の一つで鼓にあわせて歌いながら舞う芸能と言われており、白拍子の舞がその起源ともされ、世阿弥を始め能の作者達に大きな影響を与えました。
さて能「山姥」のストーリーは山姥が山廻りをする事を曲舞に作って人気を博した百魔山姥(ツレ)という遊君が、自身の母親の十三回忌を行うために信濃国善光寺へと向かいます。そして越後国上路の山中で本物の山姥(シテ)と行き合い、その山廻りの様を目の当たりにするというものです。おそらくその山姥が山廻りをする部分は曲舞から取り入れられ、遊君百魔山姥が善光寺へ行く途中で本物山姥と出会うというストーリーは世阿弥が作ったものでしょう。
「山姥」ではその曲舞を取り入れた部分で、煩悩が菩提(悟り)に通じる仏教観、また柳は緑花は紅という世界観、そして山廻りをすることを衆生輪廻の苦しみに例え、大自然の壮大なスケールを舞台背景に物語が展開しますが、その一方でツレを山姥を真似る芸能者、そして山姥をその物真似(芸)の本質として描き、世阿弥の芸への眼差しを伺う事ができます。
能「山姥」は、前半を山姥とは何かという問答を「静」の緊張感の中で描き、後半は山中の壮大な景色を展望した後は舞尽しという、見るものを飽きさせない作品となっています。
能楽でしか体験できない世界観を体感しにぜひご来場ください。
チケットのご予約はこのサイトより4月17日(木)7:00amより、またお電話でのご予約は4月21日(月)10:00amより洩花之能事務局(電話03-3590-1802)にて承ります。チケットのご予約についてのお問い合わせは
desk-shinya@tomoeda-kai.com
までお願い致します。
なお第十二回洩花之能は以下の助成を受けて開催いたします。
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】
