NEW! 2024年7月21日(日) 14時開演 国立能楽堂
第11回洩花之能
第11回洩花之能「実盛」
第11回洩花之能は修羅能の傑作「実盛」をシテ・友枝真也、また狂言「布施無経」を山本東次郎師、そして友枝昭世師の仕舞「藤戸」をお届けいたします。
実盛は世阿弥の作ですが、実はこのきっかけになった出来事があったとされています。室町時代の前期に加賀国江沼郡潮津で七日七夜の別事念仏が行われた際、遊行十四世太空上人のもとに白髪の老人が現れ、十念を受けて群衆の中に消えたという事があり、この老人が実は斎藤実盛の霊だという風聞が立ち、太空上人はその後卒塔婆を立てその霊魂を慰めました。この事が京都にも伝わり、世阿弥が「実盛」という能を仕上げたとされています。
能「実盛」も遊行上人の念仏の場に老人が登場するところから舞台が始まります。しかしながらこの老人の姿はその場にいる人には見えず、ただ上人にしか見えません。そうした中で老人と上人との会話が進んで行くのですが、この他の人には見えないという設定、また上人と老人との会話が秀逸です。
世阿弥は「敦盛」「八島」「清経」「忠度」「頼政」と修羅能の傑作を数々残していますが、その中でもこの「実盛」における人物の描き方は非常に主観的で他の修羅能とはちょっと違う描き方です。
その後、浄瑠璃や歌舞伎で「実盛物語」として描かれるのも、非常に興味深いところです。
今回は解説に昨年ご登場いただいた馬場あき子さんと織田紘二さんに対談いただき、歌舞伎から見た実盛と能から見た実盛を比べることでその人物像と舞台での「実盛」の魅力を語っていただきます。
馬場あき子さんは現代日本を代表する歌人で日本芸術院会員で文化功労者。喜多流15世宗家喜多実氏に入門され現在最も能に関する造詣の深い人でもあります。織田紘二(おりたこうじ)さんは国立劇場で40年以上にも渡って歌舞伎、新派をはじめ、文楽、舞踊、邦楽、民俗芸能、琉球芸能などあらゆる伝統芸能の制作、脚本、補綴、演出に携わり、その後国立劇場芸能部長、理事を経て、日本芸術文化振興会顧問を歴任されていた方で、いわば日本の伝統芸能のスペシャリストです。
それぞれの能の視点、芝居の視点、興味深い対談になる事でしょう。
尚、実盛鑑賞の手引きをブログにあげました。コチラからどうぞ。
チケットのご予約はこのサイトより4月16日7:00amより、またお電話でのご予約は4月21日10:00amより洩花之能事務局(電話03-3590-1802)にて承ります。チケットのご予約についてのお問い合わせは
desk-shinya@tomoeda-kai.com
までお願い致します。
お座席のご予約にあたっては詳細なご指定をしたい場合はシートマップを参考にご希望のお席をチケット予約フォームの連絡欄にご記入ください。既にそのお席がご予約済みの場合は近くのお席をお取りします。特に指定がない場合はその席種の残席の内のおすすめのお席を指定させていただきます。
学生割引もございます。ご希望の方は上記のアドレスまでお問合せください。
なお第11回洩花之能は以下の助成を受けて開催いたします。
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】